潤いのあるハスキーボイスという矛盾
ブライアン・アダムスは1959年11月5日、カナダのオンタリオ州キングストンで生まれた。
ブライアンと言えば、ハイトーンのハスキーボイスがトレードマークだが、生来の声ではなくわざとつぶしたと言われているが真相は定かではない。
とにかく1度聞いたら2度と忘れないあの声が、ブライアン最大の武器でありロックナンバーなら野太いシャウトを、バラードを歌えばしっとりとどこか寂し気な雰囲気を醸し出す。
ハスキーながらキーはかなり高く、またいわゆるガラガラ声ではくどことなく潤いがありしっかりと伸びるちょっと変わったハスキーボイスなのだ。
また、ブライアンは作曲能力も高く、ほとんどの楽曲を作曲あるいはジム・バランスと共作している。
レックレス
さて本作、『Reckless (無鉄砲)』と名付けらているが、アルバムとしてはむしろ良くまとまっている。
ブライアンの楽曲は基本的にロックの基本を外して冒険することは少なく、いわばロックの王道を行くものである。
このアルバムからは1,3,4,5,6,8の6曲がシングルカットされ、すべての曲がビルボードのトップ15以内に入るという快挙を成し遂げた。
これは、当時は『スリラー』と『ボーン・イン・ザ・USA』しか成し遂げていないことであった。
1.はオープニングナンバーにふさわしい、明るい王道のロックで、アルバムの出来を期待させる。
3.はリードシングルで、ブライアン曲の中でも最も人気のあるものの一つだ。
4.は美しいバラードで、ブライアンの抒情的な面を最大限に発揮した1曲。
ここでの、ブライアンのハスキーボイスは本当にしみじみとしみる。
ハスキーではなるが乾いた感じではなくてむしろしっとりとしているように感じられる。
同じハスキーボイスでもロッド・スチュアートはカラカラって感じがする。
6.ブライアンの自伝的要素を含んだ歌詞が、メロディーにうまく乗った佳曲。
カラッとした明るいロックナンバーで、単純なギターのリフがこの曲にあっている。
PVもモノクロで懐かしさを演出している。
テイラー・スウィフトともライブでデュエットしていたりもする。
Youtubeで見たが、テイラーずいぶん大きくなってるな…。
ブライアンは声の衰えが少なく、まだまだいけそうだ。
8.ではティナ・ターナー相手に堂々と渡り合う。
その他の曲も、ロックのお手本と言っていいナンバーだ。
前作の方が、全体的にロックしていて好きなのだが、ロックの聞き初めに買ったアルバムなのでやはり思い入れがある。
それにジャケットがカッコいい。
このアルバムが発売されたのは1985年だから、まだ20代半ばなのにこの渋さ…。
【Track listing】
- One Night Love Affair
- She’s Only Happy When She’s Dancin’
- Run to You
- Heaven
- Somebody
- Summer of ’69
- Kids Wanna Rock
- It’s Only Love (w/ Tina Turner)
- Long Gone
- Ain’t Gonna Cry
最後までお読みいただきありがとうございます。
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