ラテンジャズの金字塔:『ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)』

当ページのリンクには広告が含まれています。
GetzGilberto
スポンサーリンク

2023年6月5日、ブラジルのシンガーソングライター・アストラッド・ジルベルトが逝去した。

アストラッドといえば、何をおいても「イパネマの娘」だろう。

「イパネマの娘」を含むスタン・ゲッツのアルバム『ゲッツ/ジルベルト』に、当時夫であったジョアンとともに参加し、アメリカにおいて、ボサノヴァブームを巻き起こした。

彼女の評価は、海外とブラジル国内では全く異なっており、海外では、ボサノヴァの代表的な歌手という位置づけだが、ほとんどの曲をブラジルの公用語であるポルトガル語ではなく英語で歌っていたため、ブラジル国内での評価は海外程高くはないようだ。

しかし、アストラッドがボーカルを取る「イパネマの娘」と「コルコバード」はボサノヴァの女性ボーカルスタイルに、多大な影響を及ぼしたという意見もある。

たしかに、小声でささやくようなボーカルスタイルは、独特でそれまでのボーカルには見られないものだった。

目次

ゲッツはほぼ脇役?やはり、聞きどころはジルベルト夫妻のボーカル

スタン・ゲッツは、1962年、ギタリストのチャーリー・バードと『ジャズ・サンバ(Jazz Samba)』という、ボサノヴァのアルバムを録音している。

このアルバムも、100万枚を超える大ヒットとなり、アメリカでボサノヴァが広まる下地は出来ていた。

ジャズ・サンバ』は、全曲がボーカルなしのインストゥルメンタルだったが、『ゲッツ/ジルベルト』では、全曲がボーカル入りとなっている。

そして、『ゲッツ/ジルベルト』がボサノヴァのボーカルスタイルを決定づけた感がある。

もともと、ボサノヴァは歌が主体の音楽であり、『ゲッツ/ジルベルト』は当然、ジルベルト夫妻のボーカルが最大の聞きどころとなっている。

先にも書いたが、ボソボソと静かに囁くようなボーカルは、それまでの音楽にはあまり見られなかったものであり、 オペラのベルカント唱法よろしく、声を張り上げなくても音楽的には十分魅力的なものだということを世間に知らしめた。

テナーサックスのゲッツも、いつものスイングしまくるゲッツとは違い、あくまでも「歌の伴奏」といった趣だ。

ジャズファンの中には『ゲッツ/ジルベルト』を好まない人たちも一定数存在する。

確かに、ジャズアルバムとしてみれば、物足りなさが残る。

だけど、ゲッツはスイングしようがしまいが、やはりゲッツであり、ある種ストイックで控えめなゲッツもそれはそれで趣があると、自分は思っている。

このアルバムでゲッツが紡ぎだすメロディーは、普段のゲッツよりも繊細で美しいと感じるのだ。

エビスのおススメ!

収録曲は、2を除いてすべて、アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲である。

私のおススメは、1、3、4の三曲だ。

いずれも多くのアーティストにカバーされ、ボサノヴァのスタンダードとなっている。

1の「イパネマの娘」は、もはや説明不要かもしれない。

ボサノヴァと聞いて、多くの人がこの曲を思い浮かべるだろう。

夏の昼下がりを思わせる、アンニュイな雰囲気を醸し出すこの曲は、ビートルズの「イエスタディ」に次いで、カバーされているらしい。

ナンシー・ウィルソン、ペギー・リー、ヘレン・メリルなどから、ダイアナ・クラール、果ては飯田圭織まで女性ボーカリストのカバーも多い。

なお、女性ボーカリストは「The Boy from Ipanema」と改変することもある。

インストゥルメンタルでは、作曲者のアントニオ・カルロス・ジョビン、バーデン・パウエル、バーニー・ケッセルなどギタリストのよるカバーがある。

私は、バーニー・ケッセルの持ち前のテクニックを存分に駆使したちょっと都会的で洒脱なカバーがお気に入りだ。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次