あるアーティストの曲と同じタイトルの曲を、別のアーティストが発表したとき、「お、あれを○○がカバーしたのか~」と思って聞いてみると、まったく違う曲だった経験は割とあるあるではないか?
今回は、そんな同名異曲(洋楽)を集めてみた。
有名なものは、「ハートブレーカー」だろう。
ちょっと調べた限り20曲ほどあるようだ。
これが結構骨が折れる作業だった。
なぜなら、ネットで落ちている情報を探すほかは、自分で曲名で検索をかけてみなければわからないからだ。
ただ、それっぽいタイトルは分かるし「can’t stop ~ing」とか「Nothing’s gonna ~」とか。
ただ、1語のタイトルはやはりかぶりやすいので、有名処をチョイスした。
一部のアーティストが重複してしまったのは、私の音楽リテラシーのせいだということでお目こぼしいただきたい。
以下、見出しで原曲名、小見出しで邦題/アーティストの形で記述。
Nothin’s Gonna Stop Us Now
二人の絆/シカゴ
『シカゴ18』に収録。
クレジットされていないファンファーレ風の「フリー・フライト」に続く、落ち着いたムードのAORバラード。
曲全体にホーンセクションが響く、後期シカゴらしい曲。
リードボーカルは新加入のジェイソン・シェフ。
『シカゴ18』発表当時、前任のボーカル、ピーター・セテラとジェイソンの声が酷似していることが話題となった。
ただ、セテラの声がクリアなハイトーンなのにないして、ジェイソンはややハスキーなハイトーンである。
他のメンバーに言わせると、ベースはセテラよりはるかに上手いそうだ。
愛は止まらない/スターシップ
映画『マネキン』の主題歌として、大ヒットした。
スターシップ最大ヒット曲で、全米、全英、日本などでナンバーワンとなっている。
ミッキー・トーマスの清涼感のあるハイトーンボイスとグレース・スリックの迫力あるソウルフルな声とのツインボーカルは強力!
Dreams
ドリームス/フリートウッド・マック
フリートウッド・マック最大のヒット曲にして、唯一のナンバーワンヒット。
作詞・作曲・リードボーカルは、スティービー・ニックス。
スティービー特有の気だるくフワフワしたポップスで、曲名のようにどこか夢見るような曲である。
これまたフリートウッド・マック最大のヒットアルバム『噂』収録。
ドリームス/ヴァン・ヘイレン
ボーカルが、デイヴからサミー・ヘイガーに変わりどうなるかと思ったが、まったくの杞憂に終わった。
なぜなら、サミーのほうが圧倒的に上手いからだ。
確かに、個性という面ではデイヴに軍配が上がるが、歌のうまさ、特に高音の伸びはサミーの圧勝である。
このドリームスはキーボードとギターのユニゾンで始まる軽快なロックナンバー。
動画のようにライブではメンバーも含め乗れるナンバーである。
大ヒットアルバム『5150』収録。
↓のライブビデオのサミーは、やたらマイクを客に預けるなどイマイチだが、エディーのギターはなかなか好調。
実は、ヴァン・ヘイレンを支えているのは、安定感抜群のマイケル・アンソニーの超ハイトーンなコーラスだったのではと、このビデオを見て思った。
Someday
サムデイ/グラス・タイガー
カナダ出身の5人組ロックバンド、グラス・タイガーのヒット曲。
全米7位と前作の「Don’t Forget Me (When I’m Gone) 」に続くTOP10ヒットとなった。
ブライアン・アダムスのプロデューサーであるジム・ヴァランスがプロデュースしているためか、どことなく作風が似ている。
曲調はいわゆるパワーバラードになるのだろうか?
サビの繰り返しが多く、いささか単調だが明るい曲調と、洋楽聞き初めに出会った曲なので印象に残っている。
また、ボーカルのアラン・フリューは少々芋っぽい(失礼!)。
『傷だらけの勲章』収録。
サムデイ/マライア・キャリー
こちらは、平成の歌姫、マライアのファンキーでダンサンブルなナンバー。
ファーストアルバム『マライア』から、3枚目のシングルカットで、「ヴィジョン・オブ・ラヴ」から3枚連続で全米ナンバーワンに輝いた。
Fantasy
宇宙のファンタジー/アース・ウィンド・アンド・ファイアー
ファンキーでありながら緻密な曲構成。
アース・ウィンド・アンド・ファイアーの音楽はそれまでの黒人のファンクのイメージを変えた。
曲はドラマチックに展開していき、最後はサビのリフレインでフェイドアウトする。
フィリップ・ベイリーのアクロバティックなボーカルを存分に堪能できる。
日本では「セプテンバー」と並び、彼らの代表曲となっているが本国でのチャートは思ったより振るわなかったようだ(32位)。
大ヒットアルバム『太陽神』からのシングルカット。
ファンタジー/マライア・キャリー
またまた登場、マライア様。
5枚目のアルバム『デイドリーム』からのファストシングル。
マイケル・ジャクソンに次いで2人目のビルボードホット100、初登場1位を記録する。
その後、8週にわたって首位をキープ。
この頃のマライアは向かうところ敵なしという感じだった。
彼女の絶頂期だったのだろう。
トムトム・クラブの「悪魔のラヴ・ソング」をサンプリングするというセンスの良さ!
きちんとクレジットには、ティナとクリス、そしてブリューらが入っている。
トムトム・クラブ「悪魔のラヴ・ソング」はこちら↓
The Power of Love
パワー・オブ・ラヴヒューイ・ルイス・&ザ・ニュース
先のシリーズで取り上げたので、ここでの解説は割愛する。
ビデオの冒頭で、同グループの「バック・イン・タイム」が流れている。
≫Go Back To 1985 :思い出の曲たち⑤ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース「パワー・オブ・ラヴ (The Power of Love) 」
パワー・オブ・ラヴジェニファー・ラッシュ
こちらは、ヒューイのものとは違い、パワーバラードとなっている。
ジェニファー・ラッシュの声は透明感がありながら力強さも兼ね備えている、ちょっとポップス歌手としては珍しい声だと思う。
曲はスタンダードの趣があるが、チャート的には57位とそれほど売れたわけではなかった。
しかし、この曲は後に多くのアーティストにカバーされた。
とくに有名なのはセリーヌ・ディオンによるカバーだろう。
セリーヌによるカバーバージョンは、全米を始めとして多くの国でナンバーワンを獲得した。
セリーヌの人気もさることながら、やはり原曲の良さがあってのことだろう。
Love Me Tomorrow
明日に愛して/ボズ・スキャッグス
ミスターAOR(勝手に名付けた)、ボズ・スキャッグスの代表的名盤『シルク・ディグリーズ』に収録されているちょっと滋味目のナンバー。
作詞・作曲は後にTotoを結成するデビッド・ペイチ。
言われてみれば、Totoのファーストや『ハイドラ』に入っていてもおかしくない曲調だ。
ラヴ・ミー・トゥモロウ/シカゴ
テリー・キャスの事故死以来低迷していたシカゴだったが、ガラッと作風を変えて蘇った。
その変化には賛否両論があるだろうが、バンドも生き残りをかけて必死だったのだ。
デビッド・フォースターをプロデューサーに迎え、シカゴはそれまでのブラスロックスタイルから、ソフトなバラード中心のAORに見事に変貌を遂げた。
これは起死回生の1枚『ラヴ・ミー・トゥモロウ Chicago 16』からのシングルカットで全米22位まで上昇した。
この曲は、フォスター節全開といった感じで、美麗なメロディーとややフュージョン寄りの音作りで、ビルボードアダルトコンテンポラリーでは2位まで上昇した。
ギターを弾いているのはおそらくTotoのスティーブ・ルカサーだろう。
「素直になれなくて」とこの曲で後のシカゴのイメージは決定した。
だが、これでソロでやっていく確信を得たピーター・セテラは次のアルバム『Chicago 17』を最後にグループを脱退しソロに転身する。
Change of Heart
チェンジ・オブ・ハート/トト
イントロのハードなギターとファーギー・フレデリクセンのハイトーンのボーカルが冴える、爽快なロックナンバー。
5枚目のアルバム『アイソレーション』収録。
キーボードのソロはそれ自体はカッコいいのだが、イマイチハードになり切れない一つの要因でもある気がする。
だが、やはりサウンドメークは凝ってるし、私にとってTotoは捨て曲なしのバンドなのだ。
ただし、『ザ・セブンス・ワン〜第7の剣〜』までの話で、これ以降は曲自体覚えられない💦
チェンジ・オブ・ハート/シンディ・ローパー
シンディの2枚目のアルバム『トゥルー・カラーズ』からのセカンドシングル。
ギターでナイル・ロジャース、バッキングボーカルでバングルスが参加するなど豪華メンバーで録音された。
デジタルビートのダンサンブルなナンバーで、ビルボードホッと100で3位まで上昇。
堅くて音圧高めのドラムなど80年代らしい音作り。
Best of My Love
我が愛の至上/イーグルス
アルバム『オン・ザ・ボーダー』からのシングルカット。
スティールギターの音色が何となくハワイアンを感じさせるスローバラードだ。
リードボーカルはドン・ヘンリー、作詞・作曲はグレン・フライ、ヘンリー、J.D.サウザーで、彼らの持ち味である、コーラスワークが冴えわたる珠玉の1曲。
当初、イーグルスのメンバーはシングルカットに消極的だったが、リリースした結果、イーグルス最初のナンバーワンヒットとなった。
ベスト・オブ・マイ・ラブ/エモーションズ
ハッチソン姉妹の女性3人のボーカルグループ、エモーションズの最大のヒット曲。
ファンキーでダンサンブルなこの曲は、ディスコクラシックとなった。
アース・ウィンド・アンド・ファイアーのモーリス・ホワイトがプロデュースしただけではなく、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのメンバーがバックを務めている。
そのためか、曲調はそれっぽいものになっている。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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