ティアーズ・フォー・フィアーズ『Songs From The Big Chair』:捻じれた歌詞と良質でポップなサウンド

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音楽
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ティアーズ・フォー・フィアーズは、ローランド・オザーバル(vo,g)、とカート・スミス(vo,b)の2人組のユニットである。


2人は幼馴染で、どちらも両親の離婚を経験している。このことは、後に彼らの楽曲に影響を及ぼすことになったようだ。


ファーストアルバムのタイトルは『The Hurting(傷つけるもの)』であり、ジャケットには泣いている子供が使われている。「Pale Shelter」「Suffer The Children」に歌詞にもそれはうかがわれる。

さて本作であるが、はじめて聞いたのは中学生の時だったが、当時大ヒット中だった1「Shout」は出だしの音が「おりん」のように聞こえ、単純なメロディーの繰り返しもまるでお経のように響いた。


その頃、オフコースやユーミンを聞いていた私には彼らの音楽は重かった。


高校に入り本格的にRockを聞くようになり改めて本アルバムに触れてみると、聞けば聞くほど味がでるスルメのようなアルバムと認識を改め、中学生の時に感じていた重さは音の重厚さに変わっていった。


やがてはヘビーローテーションの1角を占めるようになっていった。


アルバムは全米で1位、本国イギリスでも3位と世界的な大ヒットとなった。


また本作からはいくつものビッグヒットが生まれている。


全米№1となった1,3の他にも7が全米3位となっている。

1の「Shout」は彼らでしか作れない唯一無二の曲。


少し無機質な感じの(なぜか私はこの表現が多い)ボーカルが打ち込みのリズムに乗ると呪術的な魔力を発揮する。


簡素なメロディーの繰り返しがそれに拍車をかける。


以前は怖かったこの曲も一度ハマると抜け出せない。


最後の繰り返し部分の(おそらく)カートのハイトーンの掛け合いもいい。

3は明るく美しいメロディでカートがメインボーカルを務める。


今聞くとキーボードの音色に時代を感じるが、古びた印象は受けない。


彼らの中ではこのような明るく爽やかな曲は珍しいのではないかと思う。

全8曲だが、その他もジャジーなイントロが印象的な2途中で入るサックスもいい,デジタルビートに乗ったローランド、カートとの掛け合いが楽しい4、不穏なピアノから始まる静謐で美しいバラードの5とどの曲もクオリティが高い。


私のお気に入りは8で、この曲を寝入りばなに聞いていると、意識が遠い世界に運ばれていくような気がする。

少し宗教っぽい楽曲で女性のボーカルもいい感じ。

【Track listing】

  1. Shout
  2. The Working Hour
  3. Everybody Wants to Rule the World
  4. Mothers Talk
  5. I Believe
  6. Broken
  7. Head over Heels / Broken (reprise)
  8. Listen
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