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音楽
レディオヘッド『In Rainbows』:『OK Computer』への回帰をみせた近年では最もロックしているアルバム
今や世界で最も重要なバンドとなった感のある彼らだが、その音楽にポピュラリティーがあるとは到底思えない。 曲調は陰鬱なものが多く、歌詞も比喩を多用し難解である。 しかし、アルバムを出すたびに世界的なベストセラーに。 彼らの音楽は、『Kid A』を... -
本
吉永南央『その日まで』:珈琲屋こよみシリーズ第2作、今回はお草さんが巨悪に立ち向かう?
【あらすじ】 群馬県にある紅雲町で古民家風のコーヒー豆と和食器を扱う店・小蔵屋を切り盛りする杉浦草。今回は、入浴ストライキをしている少年とライカのカメラを売る男の話(如月の人形)、近くにできたライバル店からのいやがらせと子供が障害を持って... -
音楽
ジャーニー『Raised On Radio』産業ロックと言われたバンドの最も美しいアルバム
『エスケイプ』『フロンティアーズ』とヒットを飛ばし、アメリカを代表するスタジアムバンドとなったジャーニーだが、内部はなかなかに荒れていたようだ。 結果、ベースのロス・ヴァロリーとドラムのスティーブ・スミスは今作を限りに脱退する。 これまで... -
音楽
デューク・エリントン『Money Jungle』:ピアニストとしてもやはり超一流
【エリントンは何をやらせても凄いのだ!】 デューク・エリントンは1899年4月29日生まれ、アメリカのワシントンDC出身のコンポーザー、バンドリーダーそしてピアニストでもある。 エリントン楽団での活動の素晴らしさはここで特に取り上げることもない。皆... -
音楽
フリードリヒ・グルダ『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』癖は強いが遊び心に満ちた楽しいバッハ
フリードリヒ・グルダは1930年5月16日にオーストリアはウィーンに生まれた。グルダが他のクラシックピアニストと違うところは、ジャズの演奏も始めたところだ。しかも、本気でジャズピアニストに転向しようとしていたのだから筋金入りだ。はじめて聞いたグ... -
音楽
ジェリー・マリガン『Night Lights』ふけていく夜によく似合う大人のジャズ
ジェリー・マリガンは1927年4月6日、アメリカ・ニューヨーク市で生まれた。 もともとはプレイヤーというよりはアレンジャーで、最初の名の知れた仕事はマイルス・デイヴィスの『クールの誕生』への参加で、ここではバリトンサックスのプレイヤーのみならず... -
音楽
ビリー・ジョエル『ニューヨーク52番街(52nd Street)』圧倒的なポップスの才能によりロックスターになれなかった男
ビリー・ジョエルは1949年にアメリカ・ニューヨーク州のサウス・ブロンクスに生まれた。デビューしたものの、「ピアノ・マン」がスマッシュヒットしたいが商業的に成功したとは言い難かった。ところが彼に転機が訪れる。フィル・ラモーンをプロデューサー... -
本
9月に読んだ本の紹介と感想
実は他にも読んでいるのだが、リマインダーを残していかなかったので覚えているだけご紹介。 【『煌夜祭/多崎礼』】 リンク あらすじと感想 蒸気によって浮かぶ18の島を舞台にしたファンタジー。魔物が徘徊する冬至の夜に仮面で顔を隠した「語り部」と呼ば... -
音楽
ティアーズ・フォー・フィアーズ『Songs From The Big Chair』:捻じれた歌詞と良質でポップなサウンド
ティアーズ・フォー・フィアーズは、ローランド・オザーバル(vo,g)、とカート・スミス(vo,b)の2人組のユニットである。 2人は幼馴染で、どちらも両親の離婚を経験している。このことは、後に彼らの楽曲に影響を及ぼすことになったようだ。 ファーストアル... -
音楽
『Third Stage/Boston』:8年のブランクも何のその
M.I.T出身の秀才トム・ショルツ率いるというより、ほぼ彼のソロプロジェクトとも言えそうなボストンのサードアルバム。 前作の『Don't Look Back』から本作のリリースまで8年もかかった。 もともと寡作なグループで40年以上のキャリアを誇りながら、発表...