桑原あい『Making Us Alive』選曲も面白くアレンジも素晴らしい10周年を飾るにふさわしいライブアルバム

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音楽
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デビュー10周年を記念したアルバム

桑原あいは、2012年にデビューしたジャズピアニストで31歳と若い。
彼女は、スタンダードの演奏だけではなく自身作曲のオリジナル曲も演奏する。
また、アレンジも自分でこなし、八面六臂の活躍である。
このアルバム、彼女のオリジナルが2曲(2,5)で、後は、ロック、クラシック、スタンダードのカバーである。
カバーの選曲も面白いが、彼女のオリジナルの2曲もレベルの高い楽曲である。

他ではあまり見ないカバー曲たち

それでは、各曲の感想を。

1は私も大好きなエリントンのカバーである。
オリジナルは、ミンガス、ローチとうるさ型の2人とのトリオで、ミンガスやローチの挑発を真正面から受け止めるエリントンの横綱相撲が印象的だった。
このバージョンでは、イントロからドラムが煽り気味で、彼女は少し大人しめかと思いきや途中から豹変し、ベース、ドラムと丁々発止のやり取りを繰り広げる豪快な演奏。

2は、彼女のオリジナルで、ブラッド・メルドーを思わせる対位法的なイントロで始まり、ドラマティックに展開をしていく。

3は、トーキング・ヘッズの代表曲であるが、原曲がどことなくコミカルなのに対し、こちらは諧謔的な演奏に思える。入りは静かだが徐々にどことなく狂気をまとっていくようなそれでいてどことなくクールさを残しているところがカッコいいい。

4は、ベルベット・アンダーグランドのカバーで、原曲は非常に美しいバラードで多くのアーティストにカバーされている。
ここで、桑原は特にひねることもなく原曲の美しさを損なわないように、気を使っているような気がする。

7は、多くのアーティストにカバーされている、諸行無常を歌ったと思われるこれまた美しい旋律を持ったバラードで、当初はシングルではなかったようだが、この曲の持つ美しさを多くの大物アーティストはスルーすることが出来なかったようだ。
現在では様々なバージョンで聴くことが出来る。
ここでも桑原は原曲の雰囲気を壊すことなく切々と歌い上げる。
原曲がいいだけに余計なアレンジは不要なのだろう。

8は、iMacのCMでもおなじみの、ストーンズの名曲。
あまりジャズでは聞いたことがないが、実に楽しい1曲に仕上がっている。
原曲は少し無邪気な感じがするのだが、こちらはウキウキしながらも大人っぽいジャズになっている。
このアルバムの中で最も楽しく乗れるアレンジで、何となくビールが飲みたくなる。

9もジャズで演奏されるのは珍しい気がする。
曲自体は誰でも知っている有名曲だが、イントロなどビートルズの「カム・トゥギャザー」を思わせるブルージーなアレンジだ。

10は、ジャズ好きにもファンが多いジョニ・ミッチェルの代表曲。
この曲はジョニがまだフォークをやっていた時代のものだが、ピアノソロで演奏されるこのバージョンはまるでブラームスの小作品のように上品なアレンジ。

【Track listing】
1.Money Jungle (Duke Ellington)
2.Into the Future or the Past?(Ai Kuwabara)
3.Psycho Killer (David Byrne/Chris Frantz/Tina Weymouth)
4.Pale Blue Eyes (Lou Reed)
5.Mama (Ai Kuwabara)
6.Cool (Leonard Bernstein/Stephen Sondheim)
7.Everything Must Change (Bernard Ighner)
8.She’s a Rainbow (Mick Jagger/Keith Richards)
9.Habanera (Georges Bizet)
10.Both Sides Now (Joni Mitchell)

最後までお読みいただきありがとうございます。

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