Blog
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マンガ
岡崎京子『Pink』:ワニと男とドトールを均等に愛するホテトル嬢の物語
【消費し続けるあまりに80年代的な主人公】 OLのユミはワニの餌代を稼ぐためにホテトル嬢をしている。ユミには、折り合いの悪い継母いるが、その娘である異母妹ケイコとは仲がいい。 ユミはけして利口ではないが、お馬鹿なわけではない。ブランドの服を... -
音楽
シカゴ『ラヴ・ミー・トゥモロウ(Chicago 16)』:大胆な路線変更により復活し大ヒット
【シカゴの軌跡】 シカゴは、1967年に名前の通りイリノイ州シカゴで結成されたロックバンド。通常のロックバンドにブラスセクションを取り入れた珍しいスタイルで、ブラスロックと呼ばれた。ブラスロックには他に、ブラッド・スウェット・アンド・ティアー... -
マンガ
川原泉『美貌の果実』ベタな設定を陳腐に見せない独特のずらし方
川原泉は男でもさほど違和感なく読める少女漫画家だ。ヒロインの目に冬の夜空のごとく星が瞬いていることもない。お嬢様や会社社長など社会的な地位が高い人と庶民との恋愛という、設定自体はある意味ベタだが、ストーリの方は少女漫画の王道をある意味外... -
音楽
山中千尋『Monk Studies』モンク愛に溢れたモンクの現代的解釈
【モンクを現代のピアニストが弾くとこうなるのだ】 セロニアス・モンクは1917年10月10日、ノースカロライナ州ロッキーマウントで生まれた。モンクの演奏はまさに唯一無二で誰もまねのできないものだ。モンクの演奏を聴いているとピアノというものがまさに... -
音楽
キリンジ『3』複雑なコード進行とねじれた歌詞が心地よい、彼らの一つの頂点
【デュオではなくあくまでもバンドスタイルというこだわり】 キリンジは、堀込高樹と泰行の兄弟を中心としたバンドである。バンドと言ってもほとんど兄弟のプロジェクトみたいなもので、雑誌やWebではよく兄弟デュオという表現がなされる。しかし、本人た... -
音楽
スティーリー・ダン『幻想の摩天楼(The Royal Scam)』:『Aja』『Gaucho』とは趣を異にするギターアルバム
スティーリー・ダンといえば超一流のスタジオミュージシャンを贅沢に使い倒し、寸分のスキもないアルバムを作り上げるというイメージがあるかもしれない。 このイメージは、解散前の2枚の傑作アルバム『彩(エイジャ)』と『ガウチョ』によるものだ。 しか... -
音楽
秋も深まってきたので『枯葉(Autumn Leaves)』の名演10選
「枯葉(Autumn Leaves)」はもともとシャンソンで、いつのころから多くのジャズメンが演奏するようになり、今ではむしろ「ジャズが本家じゃ?」と勘違いするくらいのスタンダードナンバーになっている。 シャンソンというからには原題はフランス語で「Les ... -
音楽
ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』:日本人が思っているほど本国アメリカでは売れなかった
「ビッグ・イン・ジャパン」という言い方がある。海外では評価されないアーティスト(日本人以外の)が、日本では異常に人気がある状態を言うらしい。クィーン、ボン・ジョヴィ、ジャパンなどが代表だろう。おっと、最大のビッグ・イン・ジャパン、ベンチ... -
本
柴田よしき『草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II』
前作はこちら⇒『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』 【あらすじ】 草原のコック・オー・ヴァン ●荒地一人の若者が打ち捨てられた荒地を買った。ワイン用のブドウを、栽培するのだと言う。奈穂の店に現れるが… ●宴知人の結婚式の2次会を、ソン・デュ・ヴ... -
音楽
ドゥービー・ブラザーズ『ミニット・バイ・ミニット』:前期とは全く違うが紛れもないAORの傑作
【ドゥービー・ブラザーズとは?】 ドゥービー・ブラザーズは1971年カリフォルニアでトム・ジョンストンとパット・シモンズを中心に結成された。ちなみに「ドゥービー」とは「マ〇ファナ」の隠語である。彼らは、解散までプロデュースをテッド・テンプ...